分娩後脱毛症とは

分娩後脱毛症とは、産後の女性にだけ見られる脱毛症です。原因には、女性ホルモンのはたらきが大きく関わっています。

分娩後脱毛症とは
~分娩後脱毛症について~

分娩後脱毛症は、出産後の女性に見られる脱毛症です。妊娠・出産は、女性のからだに与える影響も大きいです。ホルモンバランスの変化し、様々な体調の変化を引き起こすことがあります。中でも出産後に髪の毛のパサつきや抜け毛の増加を気にする女性は、多い傾向にあります。

女性にとって大きなライフイベントである妊娠や出産。愛する我が子が産まれ、まさに幸せの絶頂とも言える時期です。しかしこのような嬉しい出来事の裏で、女性の体内のバランスにも大きな変化が生じています。そうした変化が心とからだにストレスをもたらし、調子を崩してしまうことも少なくありません。

分娩後脱毛症は、出産後の女性に起きるトラブルの1つです。子どもを産んだ後に抜け毛が増える症状のことで、「出産後脱毛症」とも呼ばれます。

ここでは分娩後脱毛症にはどんな特徴があるのか、またいつまで続くのかなどを解説していきます。

分娩後脱毛症の特徴や症状

分娩後脱毛症の特徴や症状

分娩後脱毛症は出産をした後に脱毛が始まり、症状は2~3ヶ月ほどでピークを迎えます。脱毛の進み方には、次のような特徴が見られます。

  • 出産をしてから、急に抜け毛が増える
  • 硬くしっかりした毛(硬毛)が抜ける
  • 全体的なボリューム感が少なくなる
  • 頭皮が透けて見える

人によっては前髪の生え際が後退してしまうほど髪の毛が抜けることがあります。また妊娠中では、反対に髪の毛が増えたように感じることもあるようです。

症状には個人差がありますが、分娩後脱毛症は妊娠・出産を経過した多くの女性が経験しています。

分娩後脱毛症の原因とは

分娩後脱毛症の原因とは

分娩後脱毛症は、ホルモンバランスの変化によって起こります。妊娠中の女性は、普段よりも女性ホルモンのはたらきが活発です。特に妊娠後期にあたる28週目には、母体や胎児の状態を安定させるために女性ホルモンの分泌量が増えるようになります。

女性ホルモンは髪の毛の成長にも大きく関わっており、妊娠中では抜け毛が少なくなります。

詳しく説明すると、髪の毛には「ヘアサイクル」と呼ばれる生え変わりの時期があります。ヘアサイクルはさらに3つの時期に分けられ、髪の毛は生えたり抜けたりを繰り返しています。

成長期 → 退行期 → 休止期

女性ホルモンによる髪の毛へのはたらきは、成長期を伸ばすというものです。妊娠中は女性ホルモンが増えることで成長期がより長くなり、髪の毛は抜けずに頭皮に留まります。

しかし出産をすると、体内のホルモンバランスも元に戻ります。同時に成長期を維持していた髪の毛は、一気に休止期に入ってしまうのです。

つまり妊娠中では本来抜けるべきタイミングで髪の毛が抜けなくなり、産後にまとまって抜けてしまうことで分娩後脱毛症は起こります。

ピルの服用でも脱毛が起こる

日本では「避妊薬」としての認識が強いピル。日常的に飲んでいる女性は少ないかもしれません。「副作用が怖い」と思っている方も多く国内では敬遠されがちですが、ピルには避妊以外にも嬉しい副効果があります。

  • 生理不順の解消
  • PMS(月経前症候群)の改善

など

なぜこのような副効果が発揮されるのかというと、ピルの中身の成分は女性ホルモンです。ピルを服用することでホルモンバランスが安定し、生理に関する様々なトラブルも解消されます。

このように女性へのメリットが大きいピルですが、時にはピルが原因となって脱毛が起こることもあります。

ピルは、女性ホルモンを補充するお薬です。服用中は一時的に体内のホルモン量が増え、妊娠している時と同じようなからだの状態になります。ピルの服用によって避妊ができるのは、このようなはたらきのおかげです。

しかし飲むのをやめると、服用中に比べて女性ホルモンの量が急激に少なくなります。すると分娩後脱毛症と同じで女性ホルモンのバランスに変化が起こり、ピルの服用をやめた後に脱毛が起こることがあるのです。

分娩後脱毛症は治る?

分娩後脱毛症は治る?

分娩後脱毛症は、出産してから6ヶ月~1年ほどで自然に回復していきます。回復スピードには個人差がありますが、授乳を終える頃には本人も知らない内に改善されているケースが多いです。どうしても脱毛が気になる場合は、次のような抜け毛対策をやってみてください。

十分な栄養をとる

出産をした後は、お子さんの食事を優先しがちです。しかしお子さんを育てるためには、お母さんも元気でいる必要があります。バランスの良い食事を心がけることが、健康への第一歩です。

特に次のような栄養素は髪の毛の成長にも良いので、毎日の食事に取り入れてみてください。

  • タンパク質(ケラチン)
  • ビタミンB群
  • 亜鉛
  • 葉酸

など

育児で忙しい場合は、サプリメントを使うことも選択肢の1つです。

育毛剤を使う

育毛剤は「男性が使うもの」というイメージを持っている方も多いかもしれません。しかし最近では、女性の薄毛改善に特化した女性用の育毛剤も登場しています。毛根に直接栄養を与えるサポートをしてくれるので、脱毛の改善が早まるはずです。

しかしすぐに効き始めるようなお薬ではなく、使い続けることが大切です。当院でも女性用育毛剤を取り扱っているので、自然回復を待てず薄毛が気になる方はお気軽にご相談ください。

悩みすぎは禁物

分娩後脱毛症において特に問題となるのが、産後のストレスです。出産をした後の女性は、育児のために生活のリズムが大きく変わります。そこに脱毛が重なることで思い悩み、円形脱毛症や抜毛症を発症してしまう方もいらっしゃいます。

「ストレスを感じるな」と言われても難しい話ですが、悩みすぎないようにすることが大切です。

また日常の中で、自分がリラックスできる時間を作ることも良いかもしれません。お父さんに協力してもらったり、あるいはお子さんが寝ている時などに自分だけの時間を作ってみてはいかがでしょうか。

最後に

最後に

産後に起こる分娩後脱毛症。急な脱毛に驚くかもしれませんが、多くの女性が経験していると言われます。また何も治療をしなくとも、時間と共に回復していくことがほとんどです。あまり悩みすぎずに、産後の大変な時期を乗り越えていきましょう。

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