脂漏性脱毛症とは

脂漏性脱毛症は皮脂が過剰に分泌されることで起こる病気です。食生活や洗髪の仕方など、発症には生活習慣が深く関わっています。

脂漏性脱毛症とは
~脂漏性脱毛症について~

脂漏性脱毛症は頭皮のフケやかゆみが現れ、脱毛が多くなる病気です。性別に関係無く発症するリスクがありますが、男性の方が抜け毛が目立ちやすいと言われます。

頭皮がベタつく、髪の毛が抜けやすくなったなどの自覚症状がある場合、脂漏性脱毛症を発症している可能性があります。再発も多い厄介な病気ですが、毎日の生活習慣に気を付けるだけで予防できることも多いです。

脂漏性脱毛症は、皮脂が過剰に分泌されることで起こる脱毛症です。皮脂についてですが、これはからだの中で作られる油のような物質となっています。皮膚の上にある皮脂腺から分泌され、次のような効果を発揮します。

  • 肌の水分をキープし、ハリや潤いを与える
  • 肌を弱酸性に保ち、雑菌の繁殖を防ぐ

など

皮脂には、皮膚を守るはたらきがあります。ですが皮脂の分泌が過剰になると一転、"悪者"になってしまい肌トラブルを引き起こすのです。例えば女性を悩ませることが多いニキビも、皮脂の過剰分泌によって起こる症状になります。

ここでは脂漏性脱毛症が起きるメカニズムや症状、治療方法などを詳しく解説していきます。

脂漏性脱毛症の特徴や症状

脂漏性脱毛症の特徴や症状

脂漏性脱毛症を発症した場合、その症状は抜け毛だけではありません。次のような頭皮トラブルも同時に起こっています。

  • 頭皮の湿疹
  • 強いかゆみや痛み
  • 大量のフケ
  • 頭皮の赤み

など

抜け毛が起きる時には、すでに頭皮の湿疹やかゆみ、フケがひどくなっていることが多いです。

また性別によって症状に差が出ることもあり、基本的には男性の方が抜け毛が目立つようになります。ではなぜ女性の脱毛症状が少ないか、それは女性ホルモンに理由があります。

女性ホルモンは名前の通り女性の体内で多く分泌されていますが、このホルモンには髪の毛の健康を保つはたらきをもっています。ただ場合によっては女性でも髪の毛が細くなったり、抜け毛が増えたりすることがあるので女性も注意しなくてはなりません。

症状が似ている「ひこう性脱毛症」

ひこう性(粃糠性)脱毛症は、思春期以降の男性によく見られる脱毛症です。脂漏性脱毛症と同じようにフケや頭皮のかゆみ、赤みのような症状が現れます。また頭皮の環境も悪くなるため髪の毛が細くなったり、抜けやすくなってしまいます。

治療をする時も脂漏性脱毛症と同じような方法で行うため、2つの病気は混同されがちです。ですがひこう性脱毛症と脂漏性脱毛症には、1つだけ違いがあります。

まず脂漏性脱毛症は皮脂の過剰な分泌によって起こる病気と、原因がはっきりと分かっています。一方のひこう性脱毛症の原因に関しては、まだ十分に解明されていません。

脂漏性脱毛症の原因とは

脂漏性脱毛症の原因とは

脂漏性脱毛症の原因は、頭皮の皮脂が増えすぎることです。なんらかの要因により頭皮にある皮脂腺からは皮脂が過剰に分泌されるようになり、毛穴がふさがってしまいます。すると皮脂によりふさがった毛穴の内部では雑菌などが繁殖し、それによって毛穴の周りや毛根に炎症が起きてしまうのです。

では、なぜ皮脂の分泌が増えるのでしょうか。その原因は、日常生活の中にあります。

  • ホルモンバランスの乱れ(ストレスや睡眠不足などによる)
  • 間違った頭皮ケア
  • ヘアワックス、スプレーの使いすぎ
  • シャンプーのしすぎや洗い残し
  • 食生活の乱れ(肉や揚げ物など脂っこい食事、過度な飲酒・喫煙など)

など

頭皮のベタつきやフケが気になる方は、皮脂の過剰分泌が起きているかもしれません。脂漏性脱毛症を引き起こす前に、毎日の生活習慣を見直してみましょう。

また脂漏性脱毛症は、「脂漏性皮膚炎」という病気の延長上で発症します。言い換えれば、"脂漏性皮膚炎の症状の1つ"として抜け毛(脂漏性脱毛症)があるということです。

脂漏性皮膚炎について

脂漏性皮膚炎とは生後3ヶ月以内の赤ちゃん、中年期(40~60代)の男性によく見られる皮膚症状です。発症には、「マラセチア菌」という真菌(カビ)が関わっています。

マラセチア菌は皮膚に住み着いている常在菌の1つで、普段は人に危害を加えることはありません。ですがマラセチア菌は、皮脂をエサとしています。不規則な生活習慣やストレスなどにより皮脂の過剰分泌が起きると、マラセチア菌も異常増殖するのです。増えすぎたマラセチア菌は皮膚に刺激を与えてしまい、脂漏性皮膚炎を発症します。

また人のからだにおいて皮脂腺は頭皮や顔、胸や背中などの部位に多く分布しています。したがってそれらの部位には症状が現れやすく、はじめの内は皮膚の赤みやかさつき、かゆみなどが現れます。重症化すれば皮膚の炎症がカサブタのようになったり、「加齢臭」のような独特のニオイが発生することもあります。

ですが脂漏性皮膚炎の症状はアトピー性皮膚炎や乾癬など他の病気にも似ていて、区別はつきにくいです。「もしかすると・・・」と思う症状があれば自己判断をせず、医師の診察を受けましょう。

脂漏性脱毛症は治る?

脂漏性脱毛症は治る?

脂漏性脱毛症を治すためには、まず脂漏性皮膚炎を改善しなくてはなりません。脂漏性皮膚炎は病院で処方される治療薬を使用し、並行してセルフケアをしていくことで治療できます。

また抜け毛が気になる場合には、育毛剤などでカバーしたくなるかもしれません。ですが脂漏性皮膚炎が治っていない段階で育毛剤を使っても、頭皮の刺激になるだけでむしろ逆効果となります。健康な髪の毛を取り戻すためにも、脂漏性皮膚炎の治療が優先になります。

病院で処方される治療薬

脂漏性皮膚炎の治療は、皮膚科で受けられます。薬物療法が基本となり、特に処方されることが多いのが「ステロイド外用薬」と「抗真菌薬」です。

"ステロイド"の名前は、多くの方が一度は耳にしたことがあるかもしれません。医療の現場で出番が多いお薬ですが、塗り薬として用いた時には様々な皮膚症状に対して有効性を発揮します。脂漏性皮膚炎に対しては、皮膚に起きた炎症を抑えるために処方されます。

ただしステロイド薬は副作用のリスクもあるので、医師の指示に従って正しく使用することが大切です。

また脂漏性皮膚炎を引き起こすマラセチアは、カビの一種です。このマラセチアの活動を抑えるため、抗真菌薬が処方されることもあります。抗真菌薬はステロイドと比べると効果が安全性が高いですが、症状が良くなるまでは時間がかかります。重症化した場合は、効果が得られないこともあります。しかし抗真菌薬は副作用が少ないという点では、大きなメリットです。

セルフケア

脂漏性皮膚炎や、それにともなう薄毛を改善するにはセルフケアも忘れてはいけません。重要なのは、"生活習慣"と"髪の毛の洗い方"の2点になります。

生活習慣についてまず見直したいのは、食事です。

  • 焼き肉や揚げ物など脂質が多い食事
  • 糖分
  • コーヒーやお酒など
  • 香辛料

など

ここにあげた食品は皮脂の分泌が増えたり、皮膚の刺激になることがあるため摂りすぎはよくありません。これらの食品はほどほどにして、バランスの良い食事を心がけましょう。

特に皮脂の分泌をコントロールするビタミンB2やB6などを積極的に摂取することも有効です。ビタミンB2はレバーや納豆、B6は豚肉や豆類などの食品に含まれています。毎日の食事に取り入れるのが難しい場合には、サプリメントを活用しましょう。

また脂漏性脱毛症が起きている時には、洗髪方法も見直します。頭皮の汚れを落とそうと、洗浄力が強いシャンプーを使っている方もいるかもしれません。ですが皮脂が必要以上に取り除かれてしまい、頭皮はバランスをとろうとして入浴後にますます皮脂を多く分泌してしまいます。

そのためシャンプーは皮膚に優しい天然由来、アミノ酸などの成分が使われたものがお勧めです。髪を洗う時も爪を立てないように指の腹を使って優しく洗い、そして洗い残しがないよう十分にすすぎます。入浴後は髪の毛を濡れたままにせず、すぐに乾かしましょう。

これらの取り組みによって、皮脂の過剰分泌が改善されます。

最後に

最後に

脂漏性皮膚炎を発症すると、症状が頭皮にまで及んで抜け毛やフケなどが出てくることがあります。性別によって症状に差が出ることもありますが、生活習慣の乱れなどが重なることで誰にでも発症する可能性がある病気です。

毎日規則正しい生活を心がけて、予防に取り組むことが重要になります。ですが脂漏性皮膚炎は、一度治っても再発することがある病気です。どうしても改善されない場合は、医師に相談しましょう。

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